独身が信用されない理由は、誰かと協力することこそが人間の本質的な能力だから

独身だと出世できない」というのは、昔からよく言われています。

結婚していない人は、信用がなく、仮に仕事がよくできたとしても、あまり評価されない傾向があるのです。

独身の方はそれに対して不満に思うでしょうが、そうすることはかなり深い理由があるのです。

「家庭を持って一人前」という価値観は薄れてはいない

「家庭を持って一人前」という価値観は、現代的な教育を受けた人にとっては、とても古臭いもののように感じます。このような発言を有名人がしたら、SNSなどで大炎上してしまうでしょう。

しかし、注意したいのは、今の日本では、業績を上げている大手企業ほど、こういう古臭い価値観が根付いているのです。

福利厚生がしっかり整っている大手企業ほど、家庭を作ることを推奨するような雰囲気があります

逆に、いわゆるブラック企業と呼ばれるようなところは、労働者が独身であろうと既婚者であろうと一切気にしません。むしろ、頑張っても結婚できないような長時間労働と低賃金で労働者を追い詰めます。

「結婚した人」を優遇しているのは、何も古い企業に限りません。例えば、新進気鋭のベンチャー企業である「メルカリ」も、ライフイベント関連の福利厚生を重視しています。

メルカリ社員は福利厚生でマッチングアプリpairsを無料で使うことができる!」という記事に詳しく書きましたが、設立5年の新しい企業で、なおかつ日本でトップクラスの業績を上げている「メルカリ」は、男性の社長が育休を取るくらい、「結婚・出産・育児」といったライフイベントをとても重視しています。

福利厚生の充実は、優秀な社員を獲得するために必要な要素の一つなのですが、恋愛や結婚に積極的な人のほうが優秀である確率が高く、そのような人を逃さないため、という判断だと思われます。

「独身は出世できない」「家庭を持って一人前」と直接言うわけでは当然ありませんが、やはり大手企業は、既婚者が喜ぶような制度をちゃんと整えているのです。

社会の秩序の維持のため

また、「独身は出世できない」というのは、社会秩序や労働環境を維持するためには、それなりに必要な価値観ではあります。

「子供を育てる」のは、次世代というもっとも重要な資源を産む行為ですが、同時に、育児には大きなコストがかかります。

単純にお金を儲けたいのであれば、子供なんて作らず、結婚もせず、ひたすらがむしゃらに働けばいいでしょう。しかし、そのような人たちばかりだと、社会は崩壊してしまいます。

育児にコストを割かなければ、勉強する時間をたくさん確保できるのです、他の同期よりも抜きん出やすくなるでしょう。これはある種のモラルハザードと言えます。それを防ぐための知恵として、社会は既婚者を一人前とみなすようになったのです。

「結婚せずに努力している人」が、「育児をしながら働いている人」よりも出世するようになると、少子化が一気に進行して国が傾いてしまうのです。

この理屈を理解すれば、独身よりも既婚者ほど信用があるとみなされるのも、それなりの納得感を持って受け入れられると思います。

結婚できるということは、誰かと共生できるということ

人は、一人ではほとんど何も出来ません。どんな人でも、他者との関わりの中で生きています。

結婚して毎日生活しているということは、自分以外の誰かを好きになり、一緒にやっていこうとする甲斐性があるということです。

もちろん人間は、自分以外と長く生活していると、その時々によってうまく行かないことはたくさんでてくるので、そういう中でなんとかやっていかなければいけません。

結婚生活を続けている人は、基本的に人間関係がうまく行かないものであることを体感的に理解しています。

だからこそ、「結婚=信用」となりやすいのです。

もちろん、仕事という場で、家庭環境のことを加味するのは差別にも繋がるので、するべきではありません。

ただ、会社といっても人間の集まりですので、「見た目の良い人が有能と思われやすいバイアス」と同じように、「結婚している人は信用できると思われやすいバイアス」も働いているでしょう。

誰かと協力することが人間の本質的な能力

これは「結婚」に限りませんが、現代人は、「誰かと協力する」という、人間にとって本質的な能力を忘れがちです

人間にとって最も重要な能力は、英語が喋れることでも、Excelを使えることでも、プログラムができることでもありません。個別の有能さなんて誤差のようなものです。

一番大事なのは、気に入らない人間とでもうまくやっていくことです。極論を言えば、それだけできれば、かなり社会的にもかなり上のポジションに行けるでしょう。

例えば、会社員で、頑張ってるのに給料がなかなか上がらない場合、往々にして人は、自分より無能な同僚に対して敵意を持ってしまいます。「なんで自分はこんなに優秀なのに、こんな無能と同じ給料しか貰えないんだ!」と思ってしまうのです。

しかしそれは間違っています。同じ会社の同僚は「協力すべき仲間」であり、あなたが自分は優秀だという自己認識を持てるのは、彼があなたより優秀でないからに過ぎません。そして、経営者などの搾取しようとする側からすれば、優秀なあなたが優秀でない人たちに対して怒りを向けている状況が最もありがたいでしょう。

優秀であるあなたがやるべきなのは、無能な人を辞めさせ、さらに優秀さを伸ばすような環境を作り上げることではありません。無能な仲間との仲を深め、労働者として団結し、賃金を上げたり労働条件を改善したりすることです。

多くの人がそれをしようとしないのは、「誰かに頼るのは恥ずかしいことだ」という考え方を内面化してしまったからです。そしてそれは支配者層にとっては都合の良いことなのです。

個別の技能がよくできるだけの協調性のない人は、実際にはそれほど役に立たないし、それなりに良い条件で雇用されるくらいが関の山です。

「気に入らない人とでもうまくやっていける」というのは、人間の本質的な能力なのです。これを本気でやれば、仕事でも成功するどころか、幸せな結婚生活を送ることもできます。一部の突出した人を除き、圧倒的大多数の人間にとっては、個別の能力よりも協調性のほうがずっと大事です。

「独身は信用されない」となると、何か差別的で時代遅れな考え方に思えますが、意外にも深い理由があるのです。

1 個のコメント

  • 恋愛、結婚も 障害のある人には 難しいんだけどね

    まあそういう欠陥分子も 振り落とせるって 意味もあるのでしょうな

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