現代は、男女での性差は無いものとして教育を受けますが、男と女は考え方が違います。
仲の良いカップルや夫婦としてやっていく上では、男女の差をちゃんと理解することが不可欠であると、アメリカ作家であり男女関係カウンセラーであるジョン・グレイは主張します。
男女のすれ違いから悲劇が起こりますが、男女差ゆえの間違いをよく知っておくことで、悲劇を防ぐことができるのです。
男性が恐れることと女性が恐れること
まず、男性と女性とでは、何を恐れているかが違うのです。
- 男性が恐れることは「挫折」であり、自分が無力であることを嫌います。
- 女性が恐れることは「拒絶」であり、自分がないがしろにされて孤独になることを嫌います。
この意識の違いによりすれ違いが生まれます。
女性は、男性が頼りない人間だと思われることの恐怖がわからず、重要なときに口出ししたり、相手の自尊心を踏みにじってしまう行動をよくしてしまいます。ほんのちょっとした口出しが、男性には「私はあなたを信頼していない!」という強烈なメッセージに感じられてしまうのです。
男性は、女性が支えられていると実感を持つことの大切さにほとんど気づきません。ただ単に親身になって話を聞いてくれさえすればいい女性の心情が本能的に理解できず、愛情を示すべき部分で具体的な解決策を提示してしまいます。
「男ってなんでこう……」とか「女ってバカだな……」と思うのではなく、男女には違いがあるということを認識した上で、お互いにうまくやってく方法を探るべきでしょう。
違いを意識しながらうまく付き合っていけるのならば、男女はお互いの欠けている部分を補い合うことができるのです。
男性と女性の成熟過程の違い
男性は、最初は自分のことしか考えられない傾向があります。成長するにつれて、他人を尊重するようになり、誰かに尽くすことがいかに自分自身を高め、満足感を与えてくれるのかを認識するようになります。
女性は、最初は誰かに無条件で尽くそうとする傾向があります。成長するにつれて、他人を満足させるために生きていくことが、いかに自分自身をないがしろにすることなのかに気づくようになります。
男性は若いほど自分のことを考え、女性は若いほと他人のことを考える傾向があります。成長するにつれて、男性は他人のことを考え、女性は自分のことを考えるようになります。
女性のほうが年齢が低く、男性のほうが年齢が高い男女の組み合わせが比較的多いのはそのためです。
他人に尽くしたい女性と、他人を大切にする男性との組み合わせは、良いカップルになりやすいでしょう。
しかし、実際は、男女両方が成熟しているカップル・夫婦が一番うまく行くのです。
女性は与える度合いをセーブ相手を立てることが必要
女性は、相手に尽くしすぎたと気づいたとき、自分が相手から得たものよりも与えたもののほうが大きかったことについて不公平を感じ、損をしたと感じます。そして、不幸を相手のせいにし、相手を責めるようになります。
しかし、これは当然ですが良い結果を生み出さず、成熟していない女性(尽くしたい女性)と成熟していない男性(自分本位な男性)のカップルは、長期的にはうまくいかないのです。
女性にとって重要な考え方は、相手に対して「ギブ・アンド・テイク」を均等にするように求めることではなく、自分で与える度合いをセーブすることです。
男性は頼られないことに恐怖を感じるので、与えすぎてもあまり良い効果がありません。
男性は「自分が相手のために何かをしてあげている」という実感を必要としています。そのため、自分にとってして欲しいことを相手が進んでやるように、自分からは与えすぎず、相手を尊重し感謝することが重要です。
つまり、成熟した女性は、自分が尽くす度合いを意識的にセーブして、相手が自分に尽くすように促さなければならないのです。
そのためには、「自分が愛されるに足る人間であるという確信」が必要であり、簡単なことではありません。
しかし、男性に行動する勇気を与えてあげれば、むしろ男性は進んで相手に尽くし、そこに喜びと自信を感じるようになります。逆に、男性は精神的に不安定になると、自分以外の何者にも注意を払わないことによって自己防衛しようとします。
「私はあなたを必要としている」というメッセージが男性に自信と行動力を与えてくれるのです。
「尽くしすぎない」というのは、わがままで傲慢な態度を取ればいいというわけでは決してなく、むしろ「尽くされるために頑張る」ことです。
男性が頑張っていることに対して無神経に口を出したり、男性に無力感を感じさせるような言動をすれば、男性は相手に「何かをしてあげたい人」としての価値を認めなくなっていきます。
カップル・夫婦円満のカギは、女性がどう考えているかに大きく左右されます。尽くしすぎず、尽くされる努力をすることが大事なのです。
尽くされる努力というのは、見た目をよく保つということでは必ずしもありません。自分から与えすぎず、なおかつパートナーに無力感を与えないように配慮することです。そうすれば、成熟した男性は相手に尽くすことに喜びを感じてくれるようになります。
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