「インターネット」によって、世の中は大きく変わりました。
良い変化もあれば、必ずしも望ましいとは言えない変化もあります。
わかっているのは、一度変わってしまった後は、変わる前にはもう戻れないということです。
この記事では、インターネットによって恋愛と結婚はどう変わってしまったのか? そして、どういう心構えで「ネット以後の恋愛と結婚」に立ち向かっていけばいいのか、を述べていきます。
インターネットが得意なことと苦手なこと
「インターネット」は、遠くのものを結びつける技術です。しかしその代償として、近くにいる人同士で集まる共同体を破壊します。
つまり、インターネットは、点と点を「線」で繋ぐことは得意ですが、「面」を構成することは苦手なのです。
ここで問題になるのですが、恋愛や結婚は、「線」で考えるべきか「面」で考えるべきか、ということです。
恋愛とは、集団で何かをするものではなく、2人だけで成り立つものです。よって、2つの点を結ぶだけでいい、「線」と考える人は多いでしょう。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
インターネットが普及してから、恋人がいない人や結婚していない人が増えています。
ネットという新しい技術によって、遠くにいる人同士でも繋がれるようになって、より「恋愛」は成立しやすくなったはずなのに、実際はそうはなっていないのです。
それはなぜでしょうか?
恋愛は「点と線」ではなかった?
インターネットの「出会い」と言えば、出会い系サイトなどの「マッチングサービス」です。
なんの接点もなかった男女が、ソーシャルなネットワークを通して、自由に出会えるというサービスです。
それらは、一定の盛り上がりを見せてはいるものの、カップル数の低下に歯止めをかけるほどには流行していません。
「機会さえ提供されれば恋愛が成り立つわけではない」というのは、インターネットが教えてくれたことの一つでしょう。
何が「ステキな出会い」を保証するのか?
恋愛し、結婚に至るまでに、ステキな出会いをキッカケにしたいと思っている人は多いと思います。
ステキ……とまでは行かずとも、何か、「周囲から認められるような出会い」が必要になるのではないでしょうか?
「学校」や「職場」や「サークル」は、自由な者同士が「線」で結びつくというよりは、「面」の世界です。
制限の強い場所であるからこそ、そのような場所での「出会い」が、まっとうなものだと思われやすいのです。
マッチングアプリで知り合った人同士の恋愛よりも、同じ学校の同じクラスの男女の恋愛のほうが、「自然なもの」とみなされます。
不自由な場所だからこそ行われる恋愛を、理想のものと考えている人が多いことは、人気のドラマや映画やアニメを見渡せばよくわかります。
また、「縁談」というのも、勝手にくっつけられるような不自由きわまりないやり方とも言えますが、これが今までの「普通の出会い」であり、実際にそれで上手く行っていました。
不思議なことに、一見「線」の結びつきに見える恋愛は、「面」がないと成り立たないのです。
インターネットは恋愛や結婚と相性が悪い
「線」の繋がりのように見える「恋愛」には、実は「面」とされるものが必要だったということです。
「面」を破壊して「線」を繋ぐ技術であるインターネットは、趣味の繋がりやマニアックなコミュニティを形成する力はありますが、「恋愛や結婚」は、むしろ停滞させる原因になっています。
ネットと恋愛は相性が悪いのです。
しかし、私達はインターネット以後の世界で、なんとかやっていかなければならないのです。
もちろん、今までの話から教訓を引き出すこともできます。
たとえ、ピッタリの男女がいたとしても、その周囲の環境……つまり「面」が整っていなければ、お互いにその出会いを特別なものと思うことができません。
もちろん、出会い系アプリや、婚活パーティー、街コンなど、マッチングサービスは積極的に使っていくべきです。(そうでもしないとこのご時世、男女の出会いなんてありません!)
一方で、それを使っていく中で、「いい人に出会えるか」という「点と線の発想」だけでなく、「ゆるやかに交友関係を広げて行こう」という「面の発想」を持っておくのが、成功の秘訣かもしれません。
自分が関わる範囲を増やし、同性とも仲良くし、誰かにいい人を紹介し、紹介され……とやっていく内に、誰かと恋に発展していくのです。
面とは制限であり、それを作っていくのは大変です。知り合いが増えていくほど、連絡をとる手間や心労などが増えていくでしょう。
しかし、そのような面倒くさい環境を作り上げていくことが、遠回りなように見えて、良い恋愛、そして結婚をするための近道なのかもしれません。
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