急にカッとなり、対話ができないくらい怒ってしまうことを、俗に「ヒステリー」と呼んだりします。
「ヒステリー」は、女性に多いと言われていますし、「女性だからヒステリーは仕方ない」という意識を持っている人もいます。
この記事は、「自分でも悪いと思っているけどヒステリーを起こしてしまう」女性に向けて書いています。
ヒステリーの原因は女性の欲求不満?
「ヒステリー」とは精神医学の用語ですが、その語源は「子宮」を意味するギリシア語です。
もともとは、女性の性的な欲求不満から来る症状だと考えられていたみたいです。
当時は女性の性欲は悪いものだと考えられていて、女性がセックスを望むことは精神病の一つとされていました。その症状を「ヒステリー」と呼んでいたのです。
ヒステリーは、「理性をなくしてしまうこと」という意味で使われていました。
そこから転じて、「理性をなくして対話不能になってしまうこと」を「ヒステリー」と呼ぶようになりました。
現在は、性的な意味はなくなって、急に怒ってわめき散らしてしまうことを「ヒステリー」と呼びます。
ヒステリーの原因が女性脳にあるというのは眉唾
よく、テレビやウェブサイトなどで、「女性は脳梁が太い」「感情優先脳」といった脳科学が語られることはあります。
しかし、実際のヒステリーの症状と脳の構造については、そういう説明の仕方ができるというものに過ぎず、因果関係が実証されたものではありません。
近年は脳や健康に関する「エセ科学」が流通しており、「脳の機能がこうだから……」という説明は眉に唾をつけて聞いておくのが良いように思います。
女性特有の症状なの?
怒り出して対話不能になってしまう人間は、何も女性に限らず男性にもいます。
一方で、古くからそのような「理性を無くす」症状は女性のものだと考えられてきた経緯もあるようです。
古代ギリシアから、ほぼ最近に至るまで、ヒステリーは女性特有の子宮に原因がある症状と考えられてきました。
中世ヨーロッパでは、ヒステリーは魔女の仕業だと考えられていたようです。
19世紀のロシアの作家「ドストエフスキー」の小説には、ヒステリーを起こす女性が頻繁に登場します。
森鴎外の小説『舞姫』では、悲劇の女性「エリス」が、ヒステリーをこじらせて廃人になってしまいます。
「ヒステリーは仕方ない」と考えるのはダメ!
なぜここまでヒステリーを論じてきたのでしょうか。
私の主張を一言で言えば、「女だからヒステリーは仕方ないと考えるのは絶対にダメ!」ということです。
ヒステリーは、一度それが許されてしまうと、癖がつき、何度も頻繁に起こしてしまうようになりがちです。
男性と付き合っている場合、ヒステリーを起こすと愛想をつかされる場合が多いでしょう。
結婚をして子供もいる場合、配偶者に大きな負担をかけるし、子供にも悪影響があります。
(子供は母親がヒステリーを起こす姿を大きくなっても覚えているものです。)
女性のヒステリーは男性の暴力と同じ
「恋愛市場」では、往々にして男性よりも女性の立場のほうが強いので、ヒステリーに眼をつむってくれる男性も多いかもしれません。
しかしそれは、男性のDV(ドメスティックバイオレンス)を我慢する女性のようなものです。
男性の権力が強い時代は、女性は殴ればいいものと考えられてきました。女だってヒステリーを起こすし、男は殴っても仕方ないといったふうに。
男女平等の価値観が根付いて、男性の暴力は厳しく糾弾されるようになりました。
それは間違いなく社会の進歩であり、とても良いことです。
しかし、女性側も変わらなければいけません。
「女性特有の病気だから仕方ない」と思われていたヒステリーもまた、すでに「仕方のない」ものではなくなりました。
「生理」や「更年期障害」だからイライラする、というのもあると思いますが、「まったく話しが通じないくらいパニックのように怒ってしまう」というのは、ほとんど暴力です。
男性が暴力が許せされないものであるのと同様に、女性のヒステリーも許されないものであるべきです。
言うまでもないことですが、男性のヒステリーも女性の暴力も同様です。
「男だから暴力は仕方ない」「女だからヒステリーは仕方ない」と言えない時代になっているのです。
どうしてもヒステリーをやめられない人は病院へ
自覚症状がありながらも、どうしてもやめられないという方は、一度クリニックへ行って相談してみるというのも手です。
病院へ行くことをそこまで重く考えず、「とりあえず相談してみよう」という気持ちで行ってみましょう。
『ヒステリー 病院 (地域名)』で検索すると、ヒステリーを診察できる病院が見つかります。
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