一夫多妻制が日本を救う?メリットとデメリット、採用している国の事例を紹介

少子化が進む日本では、人口に対して子供の数がどんどん減っています。

人口減それ自体は良くても、「親の数より子供の数のほうが極端に少ない」という状況は、次世代に大きな負担をかける、避けるべき事態です。

現状の仕組みでは人口が維持できない以上、何かしらの社会的な変化は必ずやってきます。わたしたちは、出生率を20.7%以上に引き上げて、人口を維持していかなければならないのです。

その一つの方法として、「一夫多妻制(あるいは一妻多夫制)」を許容してはどうかという意見があります。

今回は、一夫多妻制にはどのようなメリットとデメリットがあるのか、実際に一夫多妻制を採用している国はどのようになっているのかを解説していきます。

一夫多妻制で人口問題は解決する?

若者が子供が産まなくなったと言われていますが、実は、結婚している夫婦の出生率はそれほど変化していません。少子化の原因は、主に「結婚できない男女が増えた」ことにあります。

昔は「結婚しなければいけない」という圧力が強く働いていたのですが、良くも悪くも自由化と意識の変化が起きて、「お前は妥協してここらへんのやつと結婚しとけ!」が通用しなくなりました。

そのため、昔は男性の上位90%までと女性の上位90%までが結婚できていたのですが、今は男性の上位60%までと女性の上位60%までしか結婚できなくなりました。

なまじ自由になったぶんだけ、他人と比較するようになって、「このレベルで我慢するくらいなら独身でいよう」となってしまうのです。

男性は、妊娠期間がある女性と違って、複数の異性と子供を作ることができます。経済力があってモテる男性が、複数の女性と結婚できるようになれば、出生率は改善するのです。

そのため、自由化が進んだ現代において、「一夫多妻制」は少子化解決への有効なアプローチと言えます。

  • 「途上国の一夫多妻制」は、「不自由」な「一夫多妻」です。
  • 一方で、少子化を解決するために行う「先進国の一夫多妻制」は、「自由」な「一夫多妻」です。

不自由な状態での一夫多妻は女性の人権が認められないがゆえの後進的な制度ですが、自由恋愛が前提の一夫多妻制は、結婚制度のさらなる自由を認める「前進」であり、未来の政策と言えます。

男性と女性の生殖機能の違い

「一夫多妻制」は、制度的には「複婚(多夫多妻制)」を認めるという形になります。

当然ながら、一人の女性がたくさんの夫を持つ「一妻多夫」もありです。

しかし実質的には、「一夫多妻」がメインになるでしょう。これは、男性と女性の生殖機能の違いのためです。

女性は、子供を身に宿してから、かなりの時間と心身への負担をかけて出産します。そのため厳選して優秀な男性を選ぶ傾向があります。

男性は、同時にたくさんの女性と子供を作ることができます。そのため、多くの女性と関係を持ちたいと思う傾向があります。

現状の「一夫一妻制」は、女性の生殖にペースを合わせ、男性の行動を制限する制度です。

たくさんの女性と子供を作れるほど金銭的・身体的・精神的に余裕のある優秀な男性も、現状の「一夫一妻制」の制度では、法的・倫理的な問題によって、女性を養うことができないのです。

一夫多妻制によって守られるのは女性であって男性ではない

男性の行動を自由にする「一夫多妻制」の解禁は、女性が嫌がる制度というイメージが強いですが、実際に一夫多妻制で救われるのは女性です。

まず、上位男性がより女性にアプローチするようになることで、女性の価値が相対的に上がります。

一部の上位男性に多くの女性が集中するので、男性の競争が激化し、下位女性でも中堅男性と結婚することができるようになります。

現在のように、トップ男性と結婚できた女性とできなかった女性という差ができることなく、平等にトップ男性の妻となることができるので、女性内での格差が少なくなります。

「一夫一妻制」のような、「妻が夫に必死に尽くす」という逃げ場のない形で結婚をする必要がなくなり、結婚制度にそれほど前向きではない女性は、人気男性の何番目かの妻という形で、金銭的に十分な援助を受けながら子育てをできます。

また、結婚しても離婚してシングルマザーとなってしまう女性が多いのですが、結婚の制度が柔軟なものになれば、お金に余裕のある男性に養ってもらうことも起こりやすくなります。

一方で、女性獲得の競争率が激化し、上位10%に入れない男性にとっては不利な制度になります。「一夫一妻制」で守られていたのは男性のほうです。

一夫多妻は女性に優しく男性に厳しい制度であり、トップ層の男性と大多数の女性が得をして、下位の男性が損をするのです。

一夫多妻制のメリット

一夫多妻制のメリットとしては、

  • 結婚制度がより柔軟になり自由度が増える
  • 男性のモチベーションアップ
  • 貧困にあえぐ女性が減る
  • 男性に従属せずに子供を持てる女性が増える
  • 少子化が改善する

などが挙げられます。

お金を稼いだ男性が、堂々とたくさんの女性の面倒を見ることができるようになります。

また、男性の競争が激しくなることで、女性の価値が上昇し、逆説的ですが女性がより強く出られるようになるのです。

一夫多妻制のデメリット

一夫多妻制の大きなデメリットは、治安の悪化と社会の不安定化です。

「一夫一妻」の縛りがなくなると、男性同士の格差がますます開きます。すると、自暴自棄になった男性により治安が悪化して、社会生活の基盤が脅かされます。

基本的に「一夫一妻」は、格差が開かないようにして男性を守り、社会を安定させる仕組みだったのです。

人類の生殖の機能上、「一夫多妻制」がむしろ自然な姿なのですが、人びとは「一夫一妻制」という仕組みを作り上げ、それによって共同体を安定させてきたのです。

一夫一妻はキリスト教による偏った制度とも言える

しかし、昔は日本はゆるやかな一夫多妻制でした。

実は、「一夫一妻制」の価値観は、貞操観念を重要視するキリスト教がもたらしたものです。

日本でも江戸時代までは事実上の一夫多妻で、将軍家は側室を何人も持つことができたし、一般人も「妾(めかけ)」という形で、妻以外の女性を囲っていました。

「一夫一妻制」はそれほど普遍的な価値観ではないのですが、恋愛や結婚に関してはキリスト教的な考え方が世界的にとても強く浸透しているのが現状と言えます。

一夫多妻制を採用している国の事情

イランやサウジアラビアなどのイスラム教の影響力が強い国では、一夫多妻制が認められているところが多いようです。

コーランの第2章には、ムハンマドが4人を超える妻を認められていたという記述があることから、イスラム教は4人の妻を持つことを許されている国が多いようです。

制度は国によってそれぞれ違いがあり、シリア、イラク、パキスタンなどの国の場合、二人目の妻を持つには裁判官の許可が要ります。また、モロッコ、ヨルダン、エジプトなどの国では、新しい妻はすでに結婚している妻の了承がなければ娶ることができません。

アフリカ諸国にも一夫多妻制が認められている国は多く、特に、ナイジェリア、セネガル、コートジボワール、ガーナなどの西アフリカに多いと言われています。西アフリカは、東アフリカや中央アフリカに比べて、キリスト教圏の影響をあまり受けていないからです。

一夫多妻制の国が実際にはどのような感じでやっているのかですが、法的に認められているといっても、2人以上の妻がいる男性はひと握りです。経済的にも精神的にも女性を養うことのできる男性は、それほど多くはありません。

当然ながら、男女と女性の人口比は同じくらいなので、たくさんの妻を持つことができるのは一部の男性のみで、他はむしろ女性からあぶれます。大多数の男性にとっては厳しい社会なのです。

また、一夫多妻制の国といっても、一番多いのは「一夫一妻制」の夫婦です。ごく一部の男性がたくさんの女性を引き連れるという大きな格差が生まれるのではなく、実際はゆるやかな一夫多妻制になるのです。

一夫多妻制が少子化対策になる理由

先進国が一夫多妻制を導入した事例はまだありませんが(最も先進的な一夫多妻国はマレーシア)、先進的こそ、新しく一夫多妻制を導入するべきなのです。

自由恋愛がしっかり根を張った先進国で一夫多妻制制を導入するからこそ、それが女性に恩恵があり、少子化問題を解決する政策になるのです。

例えば、現状の結婚制度が

  • 結婚できる男性が上位60%まで
  • 結婚できる女性が上位60%まで

だとするならば、複婚(一夫多妻制と一妻多夫制)が認められた場合

  • 結婚できる男性が上位50%まで
  • 結婚できる女性が上位80%まで

となるようなイメージです。

一夫多妻制は、女性にとって不利な制度というイメージが大きいですが、実際は女性にメリットの大きい制度です。一人の男性に依存する必要がなくなるので、より尊重され、結婚に積極的な人でなくとも妻になりやすくなり、ゆるく結婚して子供を作ることができます。

先進国だからこそ一夫多妻制なのです!(実際、制度的にも、「複婚」という新しい選択肢を増やすだけなので、政策としてはリベラルな性質を持ちます。)

これからますます少子化が進んでいこうとしているなか、解決策の一つとして、複婚(一夫多妻制)を認めるという法律が議論されるべきなのではないでしょうか?

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